東のあんた


馬鹿みたいな話をひとつ。

オレは夕方になると東を探す。
まぁ、太陽と反対方向が東だからすぐにわかる。
なんとなく、この色を見たら、あいつの焔を思い出すからだ。
以前本人に言ったら大笑いされたが、オレはこんな綺麗な色だと信じている。

居心地の悪い郷愁なんかを感じたりするから始末が悪い。
この夕日をあいつも見てるかなと思うと、なんだがむず痒くなる。

「そろそろ、司令部行かなくちゃね。」
「ん?」
「だから、報告書。鞄の中、報告書だらけだよ。あんまり溜めると、見るほうが大変なんだから。」
「ああ。」

あいつに会いたいと思ったオレの心を見透かされたかと焦った。







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