オレ達は幸せだった。
色々と計画を立てた。
トマトを植えよう、ほうれん草を育てよう。鶏を飼おう。
あいつは、馬が飼いたいと言っていた。
世話なんて絶対しきれない。
オレ達は本当に幸せだった。
オレは一丁のお気に入りの銃とその弾を1ダース、そしてナイフを数本だけ持ってきた。
後は必要ないと思った。
オレ達の暮らしは誰にも邪魔されないと、疑わなかった。
だって、そうだろ?
オレ達は、とても幸せだったんだ。
オレの仕事道具はそれ以外全て会社に返した。
アルは泣きながらオレを引き止めた。
オレはゆっくり説明した。
あいつを愛していること。
あいつがオレを愛していること。
「兄さんが、幸せなら、もう、何も言わないよ。」
最後にアルはそう言って静かに泣いた。
帰りがけにばったりと会ったウィンリィは事の詳細を知っていたのか、オレにスパナをぶつけてきた。
当ってやることが、彼女のためだと思ったので、よけなかった。
「なんで、あんたっていつも自分ひとりで、全部決めてしまうのよ。」
オレはあいつと二人で決めたと、ウィンリィに話す。
「もう、整備してあげないから。」
泣きじゃくるウィンリィの頭を撫でた。
小さく、ただの女の子に見えた。
「アルと幸せにな。」
涙を拭って、満面の笑顔を作る。
口の端がかすかに震える。
「あたりまえよ!」
黒猫の用心棒
教訓9〜一番好きな場所は、膝の上です。〜
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